ノートを買った
ノートを、買った。
もうすぐ使い終わる、はやく新しいのを買わねばと気が焦りはじめていたので、買えてよかった。まだあと一週間分は残っていたが、こういう気がかりは早めに晴らさないと、ストレスになって落ち着かない。
もともとは、ここで買おうとした『大人のキャンパスノート』を探していたのだが、以前に置いてあったはずの店に行ってみたら、なかった。シリーズを揃えた棚自体がなくなっていた。
厳しい。世間の移り変わり、店の変化についていけない自分の感覚が厳しい。
ないものは仕方がないと諦め他のノートを物色してみると、ふつうに『ツインリングノート（ドット入り罫線）』の方にも、わたしの求めていた徴があったので「あ、ならコレでいいわ」と買うことにした。めでたしめでたし。
この前行った店には、これの無線綴じノートはあってもリングノートはなかったのだ。厳しい。
値段的に考えても、こっちの方が安いだろうと思ったのだが、『大人のキャンパスノート』は、５０枚で４１０円（Ａｍａｚｏｎだと３５５円、ヨドバシだと３６９円）。『ツインリングノート（ドット入り罫線）』は４０枚で２９１円。単純に枚数をさっ引いて考えると、３７円ほど安いことになる。
び、微妙……。
他に違いとしては、『大人のキャンパスノート』の方はページにミシン目が入っているのだが、自分の用途にはあまり関係なかった。
これであと数ヶ月は安泰である。記録用ノートに限っては。
実はわたしの部屋には未使用のノートが使い切れずに余っているが、適当にそのときの気分で買ってしまったノートが多いために、用途が決められない。
一番古いものでは、二十年以上昔の未使用ノートがある。たしかフランス製のノートで、表紙がお洒落で気に入って、千円くらいした。当時の自分からしたら奮発した。紙も少し特殊なので、勿体なくて使えない。たぶんもう、これからもずっと使わないだろうなと思う。
この世の中には、二千円や三千円もするようなノートが存在することも、知っている。店で手に取って「いいなー、こういうノートを気兼ねなく使える人って、収入があってストレスとか少なそう……」などと思いを馳せることもある。いっそのこと、そうした高級ノートを使ってみさえすれば、わたしの頭もマシになるのではないか？ などと夢想することもある。そしてすぐに「んなワケあるか」と打ち消す。
まずは手元の百円ノートを使い切らねばならない。
