後悔記

今のところ、宛てのないブログです。

財布を忘れたら愉快じゃない

 ベタなタイトルだが、実際にベタなことをしてしまったので仕方ない。

 夕方になって衝動的に「ぐわー、カフェ行ってコーヒー飲んで思考を整理したい!」となってきたので、慌ただしく支度を済ませて出かけたのである。で、運動がてら二十分歩いて、店に入って席について、注文しようとしたところで気づいたのだった。「あれ? バッグに財布入れたっけ?」

 外出するときに財布を用意するということはあまりに当たり前のことなので、逆にすっかり意識から抜け落ちていたのである。うっかりミスというのは、そういうものだ。

 しかし注文する前に気づいてよかった。店の中に入ってから財布がないと気づくとか、たぶん生まれて初めてだ。怖い。携帯電話、文庫本、メモ帳、筆記具、眼鏡と準備して、どうして財布だけ忘れてしまったのだろう。

 おそらくそれは、眼鏡のせいだ。わたしは通常使っている眼鏡と、予備の眼鏡と二つ持っているのだが、今日はたまたま予備用の眼鏡をかけて行こうとしていたのである。この眼鏡、予備としてあるものの滅多に使わないので、微妙に度に慣れていない。つまり、行動するときの意識が普段とはズレていた。視界に違和感があるので、いつもより体を動かすのに慎重になり、そちらに意識が持っていかれて他のことに対して散漫だった可能性がある。

 慣れないことをするから、いつもはしないミスをしたのだ。

 そして何も食わず飲まず、往復五十分のウォーキングをするというとても健康的な結果になった。これはもう神が、この年末に無駄な出費とカロリー摂取をするのではないと言っているのではないか。そう思わないとやってられない。しかし神よ、わたしはまた近いうちにどうせ同じような行動をとるのです、お許しください。

 家に帰り着いた頃には、すっかり暗くなっていた。財布を持って再びどこかへ出かけようかとも思ったが、やはり一度勢いを挫かれると、その気力は湧かなかった。目当てのコーヒーを飲めなかったので、わたしは冷蔵庫をあけ、中に入っていた野菜ジュースを飲んだのだった。