後悔記

今のところ、宛てのないブログです。

コーヒーにシロップを足したい人

 なんだかまた飲食系の話である。他にネタないのかよと自分でも思うけど、書きやすいので仕方ない。

 今日テレビを見ていたら、マクドナルドのカフェラテが値下げするという話題を取り上げていた。わたしは単純に、「はぁ、ますますお得感が増して、利用者としてはありがたいことですな」と思ったが、しかしそこで自分が喜んでカフェラテを頼むかというと微妙なんだな、と考えた。

 わたしはカフェラテが好きだ。しかしマクドナルドでコーヒーを頼むとき、わたしの中にあるハードルがあらわれる。ガムシロップの量である。

 Sサイズならまだいい。なんとか1個でも足りる。しかしMサイズはダメだ。耐えられない、と以前にアイスコーヒーを飲んだときに思った。あくまで個人の味覚と好みの話なのだが、ただ苦いだけの水を飲んでいるような味気なさだった。

 他人に話せば、店員に言って追加のシロップをもらえばいいだけのことじゃないか、と言うだろう。まったくその通りだ。わたしもそう思う。思うけど、その勇気がなかなか湧かない。

 数年前のことである。けっこう混んでいたマクドナルドで、わたしは初めてコーヒーを頼んだ。ミルクもシロップも、何もないまま出された。わたしは、店内のどこかに置いてあるのかな? とキョロキョロ眺め歩き回ったが、なかった。

 あれ? もしかして店員さんが忘れたのかな? それとも、必要な人は自分から言わなきゃいけないシステムだったとか? え、でもふつう訊かない? マクドナルドは違うのかな。久しぶりだし、コーヒー頼むの初めてだからわかんないや、なんか自信なくなってきた……と、わたしは沈んだ。ちょうどその頃、病院通いをしていて、その帰りに寄ったこともあって精神的にもあまり強さがなかった。(今でもないが)

 耐えてシロップ抜きコーヒーを飲もうとしたが、やはり甘ったるいコーヒーに慣れた舌にはきつかった。しかし店員に頼もうにも、忙しそうにしているところを割って入るわけにはいかない。客の列が途切れるのを待ってから「あのぉ、シロップもらえますか?」と話しかけ、ようやくあの小さなシロップ1個を手に入れたのだ。

 それ以来、なんとなくマクドナルドでコーヒーを頼むのは避けていた。しかし数年経ってカフェラテを注文してみると、なんと、何も言わなくても最初からシロップが付いてきた。コーヒーフロートを頼んだときも、律儀にちゃんと付いてきた。キャラメルラテを頼んだときもだ。

 あれ? あのときは、何だったんだろうな。本当に店員が忘れていただけだったのか? それともあの後に、「コーヒーの注文には必ずシロップを付けること」みたいに対応が変わったのか? 謎である。 

 ドトールやらファミレスのドリンクバーなら、ガムシロップは2個でも3個でも自分で取って追加できる。スタバも好きなだけ注ぎ足せるし、微調整もできる。そのサービスにいつのまにか慣れきってしまったのだろう。対人コミュニケーションは最低限のことしかしたくない傾向のあるわたしには、店員に対して「追加の要求を告げる」という行為が、妙にハードルが高い。困ったものだ。

 しかしせっかくカフェラテがお得になるというのだから、わたしも思い切ってシロップの追加を頼んでみるべきではないか、と思えてきた。