後悔記

今のところ、宛てのないブログです。

感想はむずかしい

 このブログは基本的に私的で内省的なことばかりを綴っているが、わたし自身もこの社会に生きている個人であるからして、けして世間の話題には無関心というわけでもない。テレビも見るしネットも見るし、そこから目に入ってきた情報に感情を揺さぶられて色々考えたり、意見や思想のようなものは持っている。

 が、そこはよく知られているように地雷原なので、下手な言及はできないのである。なにしろわたしは、頭が悪い。言語化作業は好きだが、それを他人に伝わるように文章にする自信もない。それに、性格もあまりよくないと、うっすらとした自覚はあるので、嫌いなことや受けつけがたいものに対しては、かなりきつい表現をしてしまって、あとから「しまった、言いすぎたかも……」と落ち込むこともよくあるのである。

 隠しても、たぶんその片鱗は出てしまうものなのだろうと思う。ツイッターで数年前呟いたアニメの感想が、知らない間にまとめられていたことがあったのだが、概ね作品に対して好意的な意見をまとめたものであったのに、わたしの意見は批判的で不快だから削除しろ、みたいなやりとりをされていたのを後になって知った。

 勝手にまとめられて、勝手に文句をつけられていたことにはちょっとショックを受けたが、そこでのいざこざは何一つわたしには飛び火してはこなかったので、まあわたしの知らないところで単純な意見の相違があったのだな、という程度の話である。

 ちなみにその作品に対して辛口の感想を呟いていたのは、放送前から期待が高く、序盤はとてもよかっただけに、その後の展開にガッカリした、みたいなパターンだったからである。しかし、呟いていた感想は断片的であるし、見た人がそんな個人的な感情までわかるわけがない。フォロワー数も少なく、とくに交流のないアカウントだったので、気儘に皮肉で口の悪い書き方もしていたかもしれない。(数年前のことなので、よく覚えていない)

 なので、まあその作品に対して肯定的な感情で繋がりたいと思っていた人には、不快な感想ではあっただろうな、ごめんな、巡りあわせが悪かったな、とは思った。だが感想くらいは、誰に押しつけようとも思わないし正否を主張しているものでもないので、自由に呟かせてくれよな、とも思う。

 そんな感じで、べつに政治や社会問題が関わっていなくても、感想や思想を表現することはむずかしい。褒めても貶しても、それを見当違いだと思われたら、誰かを不快にさせることは避けられない。真摯に言葉を選んでも、ユーモアに包もうとしても、当たり障りのないように気を使いまくっても、「あくまで個人的な感想です」と予防線を張ろうとも。

 文章で表現するということは、だから面白いとも思うし、だから恐ろしいとも思う。わたしはあまり、その恐ろしさに向き合う覚悟がない。