後悔記

今のところ、宛てのないブログです。

『ボストン美術館の至宝展』に行ってきた+α

1.思い立つ

 目を覚まし、今日もそれほど暑くはないなと察した途端、わたしは考えこんでいた。

 昨日の記事に書いたように、予約した本は借りに行かねばならない。期限はまだあるので今日でなければならない理由はないが、どうせなら動きやすいときに行った方がよい。ついでに、どこかへ出かけようか。その方が外出する弾みもつくだろう。

 実は、国立西洋美術館の『アルチンボルド展』が気になっていたのだ。調べたら、同じ上野にある東京都美術館では、『ボストン美術館の至宝展』もやっている。混み具合はどうかとツイッターを見た感じでは、ボストン展の方が空いていそうな印象だった。国立西洋美術館世界遺産に登録されたから、人も多そうだ。

 まあどちらにするかは現地で判断してもいいか、と軽い気持ちで上野へ行くことに決めた。

 そう。わたしは計画性のない人間。予定を立てて行動するということをとても苦手としているので、決断はいつも場当たり的なのである。よくない。

 

2.マクドナルド再チャレンジに勝利

 昼食時なので、とりあえず最寄り駅で飯を食うことにした。

 昨日は混んでいて諦めたマクドナルドで、ちょっと気になっていた「東京ローストビーフバーガー」とやらにチャレンジしてみることにした。

 ローストビーフ。だいたいファーストフードのメニューで当たりだった例しがないが、それでも性懲りもなくチャレンジしたくなるのがローストビーフ。

 拍子抜けするほど、ふつうに美味かった。上手いことローストビーフがメインというよりは添え物な感じで、ハンバーガーとしてのバランスが取れているように思えた。ソースは好みの味だし、マスタードの利いた感じのマヨネーズ? もいい感じだ。

 わたしは勝手に満足して、駅に向かった。

 

3. 上野に着いた

  予想通り、上野公園はたいそうな人出だった。(ところで、上野恩賜公園の恩賜は「おんし」と読むのだと今知った)通りすがった国立科学博物館の『深海2017』は、二時間待ちだという。親子連れで賑わっているようだった。

 『パキスタン&ジャパンフレンドシップフェスティバル』というイベントもやっていた。ずらりと並んだ屋台から、肉やら何やらの焼ける匂いや、煙や熱気が漂ってくる。今日は酷暑じゃなくてよかったなと思った。

 

4.見る

 そして東京都美術館へ到着。中に入って、チケットを買う。ここへ来たのは去年の『若冲展』以来だ。いやー、アレは凄かった。チケット売り場に「中は混雑しています」と表示があったけど、『若冲展』ほどじゃないだろと思えば恐るるに足らない。

 会場へと入る。最初にあるのは古代エジプト美術の展示だ。しかしどうしても入り口付近の展示というものは混む。仕方がない。ここであまり時間を取られたくもなかったので、さらっと見流す。

 次は中国美術。ここもやや混み。とくに「九龍図巻」。これも仕方がないことだが、巻物は人の流れが滞りやすいようだ。『若冲展』でもそうだった。

 そして日本美術。やはり「涅槃図」が見応えがあって、人だかりができている。寄ったり離れたりと、タイミングを見計らいながらなんとか全体を鑑賞した。

 次のフロアへ進むと、フランス絵画。教科書に載っているような有名画家が多いので、美術に造詣のないわたしでも安心感がある。モネといったら睡蓮。ドガといったら踊り子。そしてやはり、メインビジュアルになっているゴッホの二点「郵便配達人ジョゼフ・ルーラン」と「子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」の前まで来ると、「あ、ゴッホだ」という鮮やかな存在感に打たれてしまう。もちろんそれは、見る側の先入観によるものも大きいのだろうけれど。

 お次はアメリカ絵画。1760年代から1953年まで、けっこう幅がある12点。オキーフが辛うじて記憶に引っかかっていた。

 そしてまたフロアを上がり、版画・写真と現代美術へ。現代美術、あまり数はなく5点ほど。そこから映像シアター、ショップへと通って終了。

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 迷ったけど、ファーバーカステルの鉛筆6本セットを買ってしまった。昨日シャーペン買ったばかりなのにな……。

 あと、ルノワールの「陶製ポケットに生けられた花」のポストカードを買った。そういえばルノワールは、わたしがはじめて画家として名前を覚えた人だ。

 

5.うろうろと彷徨う

 そこから先の行動を、反省のためにここに記す。

 まず、とくに買う物もないしこれ以上の出費はよくないというのに、美術館のショップを無駄に眺める。そうしているうちに何か甘味が食いたくなり、一階のカフェを見に行く。並んでるし、高い。撤退! そうだ、さっきのイベントでも覗いてみよう、と屋台をぐるっと回ってみる。美味しそうだけど、ガッツリした食べ物ばかりだ。焼きそば、ケバブ、焼き鳥、たこ焼き、カレー、タンドリーチキン、かき氷、ラッシー、うう……だめだ選択できない。決断力のなさにより頭が疲れてきて、ここも撤退することにする。そしてなぜか、「あ、そういえば東京国立博物館もちょっと興味あるんだよな。せっかくだし常設でも見ていこうかな」と軽い気持ちで寄ってしまう。そして着いてから「いかん、疲労と暑さで怠くなってきている。ここはどこかで休んで冷たい飲み物と甘いものが欲しい……欲しい……」と、完全に食欲方面のスイッチが入り、結局駅へと向かう。その間もふらふらと飲食できそうな店に寄っては「ちがう気がする……自分が求めているのは……」と、散々迷い疲れてきたので、埒が明かないと上野を後にすることになる。

 そして図書館に寄り、本を借り、結局いつものスタバに入った。コールドブリュークリームフロートバレンシアというやつを飲み、「あ……これ、めっちゃ好きなやつ!」と満ち足りたので、あれだけ上野で無駄にうろうろしてたのは本当に何だったんだという気持ちになった。

 

6.…………。

 書きながら、「自分の記憶にあること、それについて思ったこと考えたことをなるべく書いてしまおうとするから、長くてとりとめのない文章になっちまうんだぜ? 文章は削るものだぜ?」と言い聞かせてはいたけれど、削ってこの結果。

 しかし、今までも美術展やら何やらに出かけたときの感想を書こうとしても、絶対にここまでまとめられなかった(途中で投げ出していた)ので、ブログという縛りを自分に強制して書くというのはけっこう効果があるのだなぁと思いました。