後悔記

今のところ、宛てのないブログです。

焼き芋のはなし

 なんか、家族が炊飯器で焼き芋をつくっていた。

 わざわざ「焼き芋用の芋」として売っていたものだ。だが、その家族は出来上がった焼き芋を持て余していたようだった。どうやら、期待していたものと違ったらしい。

 家族はホクホクの焼き芋を食べたかったのだが、その芋はねっとり系の芋だった。わたしと他の家族は、ねっとり系の芋は好きだったので、喜んで食べた。まあ、ちょっと甘さは足りなかったけど。

 おそらく、ホクホク系の芋が食べたかったのなら、わざわざ「焼き芋用」と銘打ったものよりも、ふつうのサツマイモを使った方が良かったのだろう。「焼き芋」といっても、味覚の好みによって期待しているものはまったくの別物だったというのは、ちょっと考えさせられる。

 しかし「焼き芋用」として売り出されていた芋がねっとり系だったということは、最近の需要を反映しているのだろうか。逆にホクホク系の焼き芋を求めているという人は、どれくらいいるのだろうか。

 子どもの頃、幼稚園と小学校と、芋掘りをして焼き芋にして食べた記憶がある。幼稚園の甥っ子も芋掘りをしたらしいから、未だにイベントとしては定番なのだろう。伝統行事みたいだな、もう。

 そのとき食べた芋はどうだっただろう。ホクホクだったか、ねっとりだったか。さすがに昔すぎて、記憶は定かではない。だがその後、屋台で買って食べた焼き芋などは、ねっとり系だったと思う。

 家族が期待していたような、ホクホクとした焼き芋とはどこにあったものなのだろう。それはむしろ、石焼きなどできない家庭で、なんとかそれに近いようにと工夫して調理した結果できた「蒸かし芋」に近いものなのではないかと思うのだが。

 まあ、そこまで突き詰めて家族に質問したわけではないし、する気もないから、これは完全にわたしの想像だ。家族は、わたしの知らないホクホクの焼き芋を食べていたのかもしれないし。