後悔記

今のところ、宛てのないブログです。

夢の中でも暴れられない

 寝付きが悪いせいか、わたしはよく夢を見る。今日(昨日?)も、変な夢を見た。夢なのだから、変だったり意味不明だったりするのは当たり前のことなのだが、いつもとは少し違うパターンの夢だったので、記憶に残った。しかし夢は普段は忘れていることも多いから、べつにそう変わった夢でもなかったのかもしれない。それは自分自身では自覚のできないことだ。

 とにかく、暴力衝動に憑かれた夢だった。わたしは夢の中でこれが夢であると自覚し、自分がものすごく、目にする何もかもを破壊し損壊し傷つけたいという荒ぶった衝動に憑かれていると客観的に自覚していた。これは夢だ、夢だから、わたしはこの衝動を好きなだけこの夢の中で発散してよいはずなのだ。

 なぜか、そんなふうに意気込んでいた。

 はい、ゲームの時間制限有りボーナスステージ開始、みたいに、スタートしたらとにかく暴れて壊れて殺して破壊してやらなきゃ損損損、みたいな気分だった。なんでそんな夢を見ていたのかと思うと、やっぱり無意識にストレス溜まってたんだろうなー、としか思えない。それ以外に解釈しようがない。

 現実のわたしは温厚で無力な人間である。あまり感情的に怒りを発散したりできない方で、暴力どころか大声を出すのも苦手だし、怒っていることを怒っているのだと伝える能力にも欠けている。まあ、だから余計に溜まるのだろう。

 そんなわたしだ、いかに夢の中で張り切ってみたところで、暴力衝動とやらもなんかふにゃふにゃしていた。当たり散らしたいのになかなかターゲットがみつからず、衝動だけを抱えて「うがー」と移動しまくり(走っていたのか飛んでいたのか判然としない)、なぜか、目の前にあらわれた「お相撲さん」に襲いかかり転ばせ、その両足首をつかんでグルグルと回転して投げ飛ばす、みたいなことをやった。

 しかしわたしが「お相撲さん」と認識したその人型はひょろひょろと痩せていて、薄っぺらいディティールのよくわからない浴衣のようなものを着て髷を結っているというだけの存在だった。まあ、夢だな。

 投げ飛ばしたもののちっともスッキリせず、というか、モヤモヤだけが残り、「いや、何やってんだろ自分、というか、何がやりたいんだ。意味不明だ」とすら思っていた。そしたら、なんか今度はちゃんと筋肉質で強そうなレスラーが出てきて、止められた。わたしはもうやる気を失っていたので、おとなしくなった。

 このレスラーの存在を、どのように解釈するべきなのか。わたしの暴力性を窘める自制心か。夢の中ですら自由に暴力を振るうこともできない小心さに対する抑圧か。わたしは抑圧のような気がした。

 夢はその後、まったく関係のない展開になって、またとりとめのないものになっていったので、それはもう覚えていない。