後悔記

今のところ、宛てのないブログです。

爪は脆いが髪は硬い

 わたしの爪は脆い。もともと昔からボコボコと波打ってきれいな爪ではなかったが、歳をとってからはよく割れるようになった。

 爪の見栄えはもう諦めているので、多少形が歪なのはかまわない。しかし困るのは、爪が割れやすいと、その割れ目が繊維に引っかかって、爪が剥がれやすくなるということだ。

 当たり前だが、爪が剥がれると痛い。時間が経てばまた伸びてくるが、それまでの手元が心細い。だから爪が割れてしまうと、服や布団やタオルに引っかけてしまわないように気をつけて生活しなければならない。

 しかしとくに厄介なのが、髪なのだ。実は爪が割れていると気づくのは、風呂に入って髪を洗っているときが多い。湯にふやけて柔らかくなった爪に、ちょっとでも割れ目があると、そこに髪が引っかかって引っぱられ、爪が痛めつけられることになる。

 何気ない日常の動作が、結果として自分で自分の爪を剥がす行いになってしまうというのは、かなり精神に悪い。痛みに全身がひきつり、剥がれたかもしれないと思うその瞬間は体が強張る。

 だからなるべく爪が割れないように、こまめに切るようにはしているのだが、それでもなぜか爪の根元の深いところが、いきなり横から割れているのに気づいたときには憂鬱である。そう、つい昨日のことだ。

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  一応、割れ目をやすりで削って対処はしたのだが、甘かったようだ。慎重に髪を洗い終わり、乾かすときにやってしまった。「洗い流さないコンディショナー」を手に取り髪につけているとき、爪に髪が引っかかって、びゃーっと容赦なく引っぱられた。剥がれこそはしなかったが、割れ目は更に深くなった。

 用心して絆創膏でも貼っておけばよかったのだろうが、その後でコンタクトも外して洗うつもりだったので、絆創膏は邪魔だったのだ。なにしろ、利き手の人差し指だから、使えないと不便だ。そうなると、なんとなく自分の髪が憎い。

 そう、わたしの髪はくせ毛で太めだ。歳をとって昔よりボリュームも少なくなり張りもなくなったとはいえ、髪の毛というのは意外に硬い。たまに、指の皮膚を突き破って刺さったりもする。本当に。

 髪と爪。どちらかといえば、髪は柔らかく、爪は硬い方が平和だろうに。なぜわたしの場合は逆なのか。こんなしょうもないことで同一個体の体の部位同士が敵対的な関係になってしまうのは、悲しいことである。