後悔記

今のところ、宛てのないブログです。

虚しき粘着ローラー

 髪を洗ってドライヤーで乾かしていると、けっこう髪の毛が抜ける。カーペットの上に落ちたそれは、粘着テープのコロコロで処理することにしているのだが、最近我が家のコロコロに対する不満が溜まりつつある。

 ところで、名称がよくわからないので今まで「コロコロ」と呼んでいたが、今ググってみたら、「粘着クリーナー」とか「粘着ローラー」という呼び名があることがわかったので、以後は「粘着ローラー」と呼ぶことにする。しかし「コロコロ」でも通じるっぽいなと更に調べると、「コロコロ」は株式会社ニトムズの商標で、1983年に発売したらしい。ほうほう。

 我が家の粘着ローラーに対する不満のひとつは、粘着力が弱すぎることだ。

 落ちた髪の毛を、まったくくっつけてくれない。今日などムキになって四枚も費やしてしまったが、それでもまだ取り切れないので、最終的に直接手で摘まんで取った。なんという非効率。なんという無駄な資源の浪費。もうこうなったら、とっととこの使えない粘着シートを使い切ってしまいたい。母が、安くて量が多かったという理由で買ってしまった、粘着シート。

 問題は他にもある。我が家の粘着ローラーは、もう何年使っているのか忘れたほど古いものだ。そのせいか、粘着シートのスペアがだいたい合わないのである。ときには、無理矢理押し込んで装着したとしか思えない固さで芯が抜けず、硬いところにガンガンと打ち付けてその衝撃で外さなければならなくなったりした。

 さすがにこれはおかしいんじゃないかと、わたしは思った。

 交換用の粘着シートを購入しているのは、母である。わたしは、なぜ付け替えに適していない規格の異なると思われる粘着シートを買ったのかと訊ねた。すると、「え、だって同じ生協で売ってるのに」みたいなことを言われた。

 あ、ああー。そっか。そういう発想なのか。「同じ生協」で扱っている商品だから、それが合わないはずはないだろう、という考えなのねー。へー。

 何と説明すればよかったのか。わたしもそれほど心に余裕がないので、こういうときにコミュニケーションに困ってしまうのだ。生協で取り扱っているからといってメーカーが同じとは限らないとか、或いはメーカーが同じだからといって、何年も前の古い商品には対応しなくなっている可能性も高いとか、そういうことを一から説明したところで虚しい。

 母が思っているより世の中の変化のスピードは早く、置いて行かれる消費者に対してはメーカーすらも悉く無慈悲であることを、どうやってそれとなく伝えればよかったのか。

 高度経済成長時代育ちの人は、おそらくわたしたちの世代よりも社会に対する信頼が厚いのだろうな、と世代論ぶってみたくなるのは、こんなときだ。

 ろくに実用性もない、交換にも力尽くで手間がかかる、そんな粘着シートがまだ余っている。考えるだけでイライラしてくる事態だ。もうこうなったら、新しい粘着ローラーが欲しい。なんだったら、わたしが勝手に買ってきてしまおうかと考えている。

(不満があるならとっとと自分で買えよ、というのが正論だとはわかっているが、我が家には共有のものを新しくすると不機嫌になる身内がいるので、怖くて思い切れなかったのだ)