後悔記

今のところ、宛てのないブログです。

枕に悩む

 最近のわたしは、枕に悩んでいる。

 気づいてしまったのだ。やはり、寝返りを打とうとするたびに、いちいち「よっこいしょ」と頭を持ち上げて体を反転させなければならないというのは、睡眠をとるスタイルとしては良くないのではないかと。

 面倒くさいのであまり考えないようにしてきたが、わたしが毎晩やっている寝返りは、たぶん寝返りじゃない。だって、寝ていない。起きて意識のある状態のときに、「よし、ここらで寝返るか」と意識して体を起こし姿勢を変えているわけだから。

 そして目が覚めると、頭がだるかったり痛かったり、血流が偏っているのか反対方向に寝返ると、頭のなかでザーッと一気に血が流れる感覚がして楽になったりする。どう考えても、健康的な睡眠にはなっていない。

 寝付きが悪いとか、熟睡できないとかは、個人的な体質だと思ってきた。しかし、寝返りが打てない、頭が痛いというのは、やはり枕が合っていない可能性が高い。

 しかし枕選びは、難しい。母が言うには、父も枕選びは苦心していたそうで、店で計測して作ってもらったものも結局は合わなかったらしい。

 わたしは以前、低反発の枕を使用していた。何年使ったのは覚えていないけど、けっこう長く使っていたと思う。しかし、高いのか硬いのか何が合わないのかはわからないが、やはり調子がよくない気がして、別のものに変えた。思えば、この頃からまともに寝返りは打ててなかった気がする。

 そして今使っている枕は、手触りからして中に入っているのは、細かいビーズのようなものだと思う。感触は柔らかく、頭を乗せた瞬間はフィットしたような気になるのだが、しばらくするとビーズが偏って高低差ができ、うまく寝返りを打てなくなるのだと、最近気づいた。

 これまでにも薄々、枕が合ってないんじゃないかと疑うことは定期的にあった。何度か、タオルを重ねて調整するのを試してみたりもしたのだが、良いのか悪いのかいまいちわからず、結局また「合わない」枕に戻るという繰り返しだった。

 戻ってみると、やはりタオルよりも枕の方が良いのだとも思える。そしてしばらくすると、やはり合わないのでは? と疑い出す。きりがない。このループに陥ると枕ジプシーとか枕ノイローゼになりそうで嫌だから、あまり「枕が合わない」問題を直視したくはなかったのだ。

 しかし現実は直視しなければと、今日は買い物に出かけたついでに、寝具売り場を覗いてみたのだった。そこには色々な枕があった。

 ウレタン、ポリエステル綿、パイプ、羽毛、そば殻……硬め、柔らかめ……高め、低め。いや、低めといってもわたしからすると、けっこう高い。市販の枕は、「高さ調節できます」と書かれていても、何センチ単位でどれくらい調節できるのかも、よくわからない。

 ふらふらしながら、値段お高めの高機能っぽい枕も見る。しかしやはり、基本的になんかデカいのである。手触りはいいので、単純なわたしは「うわ、これは気持ちよく寝られそう」と思ってしまったのだが、実際に寝てみなければわからないのが、枕選びの怖いところだ。

 店内でも寝転んで試せるらしかったが、その頃のわたしの頭の中は、「いやでも、こういうのって枕カバーは? 独特の形してるから、たぶん専用で値段もお高めってパターンだよな。それにメンテナンスの手間も考えないといけないし。何年保つかも大事だぞ。カバー買うとしたら予備も欲しいし、だとすると枕単体の値段だけで決めるのも怖い……」と、様々な不安要因を考えはじめてしまい、買い物への意欲はしゅるしゅると萎んでいった。

 そしてわたしは帰りに、ダイソーに寄った。そこで幾つかタオルを買い、また自作微調整タオル枕で様子をみよう、と消極的な結論になったのだった。いつものパターンすぎて、わたしはダイソーに精神的に依存しているような気になってきた。