二個目のケーキ
今日も今日とてカフェへの逃避をしてしまった。
いやしかし、何も考えずにその選択をしたわけではなく、買い物のついでとこの前買った本を読んで思索を深めるため……あ、結局いつものパターンだ。
行こうと決断するまでは、やたら頭のなかでぐるぐると考えていたのに。三〇分くらい悩んでいたと思う。つまり、目的の買い物をするついでに、飲食をしてしまうパターンを考え、どれが一番安上がりか、浪費があったとしてもなるべく精神的ダメージが少なく満足度が高く、かつ気分転換に有効か。わたしは真剣に考えた。
そう、いつも、真剣に考えすぎる。なので考えているだけで時間が過ぎている。とても無駄に感じる。しかしそれがわたしの思考パターンなので、抜け出せない。
そして出した答えは、「月末だし近場で済ませる。しかし、行きたいのでカフェには行く。だがケーキやスイーツは頼まない。ドリンクのみ!」だった。
そして訪れたいつものカフェは、いつもよりも混んでいて、久々にカウンター席に座ったのだった。カウンター席でも居心地は悪くないので支障はない。わたしは予定通り、アイスカフェラテのみを注文した。しかし、店が忙しかったからなのか、アイスのドリンクなのに氷が入っていなかった。いつものアイスコーヒーにはけっこう氷が入っていたはずなのだが。アイスカフェラテを注文するのは久しぶりすぎて、前に飲んだときは氷が入っていたのかどうだったか、記憶にない。
ちなみにこの店は、以前におしぼりが汚れていると書いた店なのだが、あれ以降汚れたおしぼりは出てこないので改善したのだろうか。だったら良かった。しかし新たに氷の謎が現れてしまった。その答えは、次にアイスカフェラテを頼む機会にあきらかになる、かもしれない。
そうして気分良く時間を過ごし、帰ることにして、またわたしの悪い癖が出た。実はそのカフェの近くに、お気に入りのケーキ屋があるのである。いつもはカフェでついケーキセットを注文してしまうのが、今日はそれを我慢したので、我慢した分のケーキ欲がむくむくと湧きだした。
だって、その店のケーキはカフェチェーンの小さくてショボいケーキよりも、確実に美味い。しかも値段は同じくらいか、それ以下だ。わたしはその誘惑に屈した。バラ風味のマカロンと、ラズベリーのケーキ、美味しゅうございました。
だが家へ帰り、家族も帰ってきて、思いがけないことが起きた。家族が、土産にケーキを買ってきたのだ。被った。ヤバい。一日に二個もケーキを食べるなんて、さすがに背徳的なカロリーオーバーだ。しかしケーキも生ものなので、早めに食べなくては美味しくない。
で、結局食べた。「今日はカフェのケーキは我慢するぞ」と決めたことが、何の節制にもならなかった。せめてもの償いに、わたしは食後、焼け石に水のようなスクワットを追加した。