後悔記

今のところ、宛てのないブログです。

味の違い

 今日はよい天気だった。母は花を見に、どこかの公園に行っていたらしい。よいことだ。しかしその頃(たぶん)、わたしは昨日の残りの豚汁を残り飯にかけて食っていた。よい天気だったのに。

 まあ、よい天気だろうが何だろうが、過ごし方は人それぞれである。しかし、一度比較してしまうと、今日も一日有意義に過ごせなかった、という悔いは残る。もう少し、もう少し何か、できなかったのだろうか。そんな曖昧な劣等感が、じんわりする。

 夕飯は、スーパーで安くなっていたという寿司だった。母にわざわざ「イカが入っていない」と説明された。そう、わたしは寿司のイカが苦手だった。イカそのものが嫌いなわけではなく、子どもの頃に食べたイカの寿司が、あまりよいイカではなかったらしく、ねちゃねちゃとして噛み切れず、美味しくなかった記憶から苦手になってしまった。

 まったく食べられないほど嫌いというわけではないのだが、家で寿司を食うときは、家族にネタを交換してもらうことになっている。しかし、今日の寿司はイカが入っていないから、その必要がないということだった。

 そういう母は、ウニが苦手である。生臭くて美味しいとは思えないとのことだ。わたしはウニは好きだった。しかし、生臭さで考えてみると、魚にしろイカにしろウニにしろ貝類にしろ、あまり大差ないような気もするが、好き嫌いは人それぞれだ。わたしも、アサリやハマグリは好きだけど、サザエはちょっと食べる気はしなかったりする。

 昔、レトルトの、イカスミのパスタソースというものを食べたことがあったが、そういえばアレもだめだった。あれ以来、イカスミソースのパスタというものを食べた記憶はない。最近は、存在そのものをあまり見ない気がするが。

 しかし、タラコソースは大好きである。辛いものは苦手なので、できれば明太子ではなくタラコがよいのだが、明太子のソースしか見当たらない場合は、それで妥協することもある。食べ物の好き嫌いというのは、実に微妙な差によってできているなと感じる。

 以前、ちょっと高級路線なタラコソースを食べてみたら、どうやらお酒が利いているらしく、好みには合わなかった。わたしの舌には、いつものお安いタラコソースで充分なようだった。きざみ海苔は、ないよりは断然あった方がいい。

 そうして家族でスーパー安売りの寿司を美味しく食べたわけだが、ふと、高級な寿司とか食べても、その味の違いがわたしにわかるのだろうか、わからないのだろうか、それともそんな機会はどうせ一生ないのだろうか、などと考えた。