後悔記

今のところ、宛てのないブログです。

涼しくていいよ

 昨日はあんなに暑かったのに、今日はこんなに涼しいなんて、ふざけているのか――と、理不尽な自然現象に対しての感想が、なんか死んだ父みたいになってきたな、と苦い気持ちになった。

 しかし人は納得できないものに対しては、反射的に毒づいてしまいたくなったりもするだろう「ふざけんな」、と。べつに気候も、ふざけて暑くなったり涼しくなったりしているわけではないということは心得つつ。

 まあこのくらいでいいよ。まだ涼しくていいよ。どうせ夏は灼熱地獄だ。屋外のどこにも逃げ場なんてない。冷房の効いた室内に引きこもるしかないんだ。涼しいのに、そんな先行き不安に予防線を張りつつ、なぜかこんな日に冷やし中華を食べていた。賞味期限もそろそろだったし、食べなくてはしょうがなかった。

 コンビニに行くために家を出ると、玄関の付近に猫がいた。「あ、猫だ」とちょっと驚いたが、猫も一瞬驚いた顔をしてこっちを見ると、すぐに逃げていった。なぜ、野良猫とばったり遭遇してしまうと、一瞬固まってしまうのだろう。きっと向こうがこっちを警戒して、その遭遇を喜ばないとわかっているからだ。

 わたしがあのとき家を出なかったら、あの猫はその後、どういう動きをする予定だったのだろう。思わず、そんなことを考えた。もっと深く、我が家の敷地内に入ってきてのだろうか。それはそれで困るんだけど。

 自転車にするか、歩いて行くか迷った末に、わたしは徒歩でコンビニへ向かった。迷っていたので、服のポケットに自転車の鍵を入れておいた。そう、今これを書いていて思いだした。「そういえば、自転車の鍵、家へ帰ってきたから元の場所へしまったっけ?」と、今確認したら、ポケットに入ったままだった。危ない、気づいてよかった。ブログ書いててよかったな。

 自転車の鍵は、百円ショップで買った、なんと呼べばいいのかわからないが、「自転車の鍵に付ける用のアレ」的なものが付いている。ストラップ、でいいんだろうか。それには最初よく鳴る鈴が付いていたのだが、うるさくて外してしまったのだ。本当は、こうしてうっかり鍵を忘れてしまうことのないように、わざわざ鈴が付いていたのだろうに。

 しかし、頻繁に持ち歩く鍵が、少し動いたり歩くだけでチリンチリンとやかましいのは、耐えられなかった。目的としては何も間違っていないのに、ちょっとしたことで功を奏さないということは、よくあるのである。

 そしてコンビニで、ジャンプとモンブランを買ったのだ。モンブラン。とくに食べたい気分でもなかったけれど、何か甘いものが欲しくなったので誘惑に負けた。きっと、モンブランの周囲には、モンブランより少し高めのケーキが置いてあったのがよくなかったのだろう。「これに比べれば安い」と、まんまと愚かな消費者心理を発動させた。

 今月は、まだそれほど出費をしていない。節約しているというより、消費行動のための気力もないというだけなのだが。この気分は、どこかで切り替わるタイミングがあるのだろうか。それとも、このまま暑くなっていくのをただ待つだけなのだろうか。そんなの、自分で考えてわかるわけもないのだった。