後悔記

今のところ、宛てのないブログです。

美味しくないジュース

 冷蔵庫に珍しく炭酸飲料が入っていると思ったら、「ずんだクリームソーダ」という衝撃的な飲料だった。なんか、母が買ってきたらしい。

 母は試しに飲んでみたらしいが、「ダメだった」と感想を洩らした。忠告を受けたにもかかわらず、わたしは好奇心に負けて、一杯だけなら、と口を付けて後悔した。

 あー、これは、ダメだ。口に入れた途端、なんともいえない独特の風味が、いわゆるメロンソーダ的な味わいを邪魔する。しかも、「クリーム」? ずんだに、クリーム。いや餡子とクリームは組み合わせとしてアリだし、ずんだ餡とクリームというのも悪くないとは思う。しかし、そこでソーダ? なぜ合わせた。果敢すぎる挑戦。

 そんな疑問がグルグルと脳内を巡ったが、コップに注いだ分は飲みきらねばならぬと、自分ルールで飲み干す。初めはわたしも舐めくさって、「まー、言うても、ソーダでしょ? ちょっとした風味さえ通り過ぎれば、あとはソーダとしてふつうに飲めるんじゃないの」などと考えていたのだ。

 風味は口内に蓄積されるものだと気づいたとき、わたしは素直に「一杯が限界だ……」と認めた。そして同じコップに水を注ぎ、口直しした。

 あー、びっくりした。こんな不味い飲料を口にしたのは、何年ぶりだろうか。

 市販の飲料が、それほど不味いと感じることなど滅多にない。好みじゃないと思っても、ペットボトル一本分くらいは飲みきれるものだ。それが、コップ一杯でリタイアというのは、初のことである。

 その昔、ゼミ合宿に行った先、どこかの寺にあった自動販売機で、適当に買ったリンゴジュースが美味しくなくてガッカリしたくらいしか、不味い市販のジュースの記憶はない。

 リンゴジュースなんて、ジュースとしてはめちゃくちゃ無難でよくある飲み物なのに、それが美味しくないというのは、ある意味わかりやすいチャレンジ商品ではないだけに、印象に残っているのだ。

 チャレンジ商品といえば、何年か前、コーヒーの炭酸飲料というやつがあった。わたしはそれを試しに飲んでみて、それほど美味しいとは感じなかったものの、「うん、飲めなくもないな」という感想だった。しかし、それ以後同じものを見たことがないので、やはり不評だったのだろうか。

 クリームソーダは、ふつうにクリームソーダとして飲みたい。ずんだを混ぜてはいけないと思った。