暑い昼の飯
今日は久々に昼に料理をしたので、気力が少しはましになっているのではないかと思いたい。
冷凍庫を調べ、すぐに食べられるものといえば冷凍のチキンライスくらいしかなく、「あー、これは野菜もタンパク質も心許ないやつだ」と察してしまった。冷蔵庫に、ちょうど一食分の残りご飯があったことだし、ブロッコリーと冷凍挽肉を具にして炒めた。
いつものお手軽チャーハンである。味付けにはチューブ入りの中華調味料を使ったのだが、残り少なくてあまり味がつかなかったので、結局塩をふりかけて食べることになった。
食事には何かタンパク質がないとなぁと言うと、冷蔵庫には生ハムがあるとか言われたのだが、生ハムでどうやって一食分調理しろと? と、わたしは戸惑った。いや、工夫次第では使えなくもないのだろうか、料理のバリエーションがあまりないわたしには、生ハムといったらサラダに添えてあるイメージなのだ。
生ハム。メロンと一緒に食べてもよいようだが、我が家ではもっぱら、キウイフルーツに乗せて食していたものだ。しかしメロンもキウイも、今家にはないし、それほど生ハムを食べたい気分でもなかった。
昔、ハムとかベーコンとかそれっぽいものがなかったので、「同じ肉だしこれでもいいだろ」と、生ハムを刻んでチャーハンの具にしてしまったことがあるのだが、物足りないし、それほどよい組み合わせではなかった。火を通した生ハムは、薄っぺらくて風味の飛んだ、ハムらしきものにすぎなかった。
だからわたしは、冷凍挽肉を使う。挽肉の内容が、豚でも牛でも鶏でも、構いはしない。便利だし、量の調節もしやすい。手も汚れない。
出来上がった、少し多めの手抜きチャーハンをもりもりと食べたので、暑いとはいえ食欲は落ちていないことにホッとする。夏バテになって、まともに食事ができなくなると、ますます体力も落ちて怖いことになるからだ。
しかし、この暑いときに、さすがに冷凍チャンポンは食べる気になれなかった。
そう。チキンライスの他に、実は他にも一つだけ選択肢はあったのだ。それが冷凍チャンポン。「いや、ありえないだろ。こんな冷房付けてても暑い日に、熱々のチャンポンとかさすがに食べる気しないだろ」と、わたしは心で呟き、一度手にしたそれを元に戻した。
しかし、凍ったままのチャンポンはずっしりとして冷えている。うっかり、よく冷えていて美味しそう、と思ってしまいそうになるが、これは熱々にして食べるものなのだ、と思い直した。