後悔記

今のところ、宛てのないブログです。

髪を切った

 本日はこの暑いなか、わざわざ髪を切りに行ったので、とても人間らしさが回復した気分だ。錯覚だけど。

 そして同時に、軽く落ち込む。いつものことだ。美容院へ行くというのは、自分にとっては人生修行のようなものだ。苦痛というほどの忌避感があるわけではないけれど、ある種の「そろそろ、行かねばなるまい」という覚悟を必要とする、年に一度の行事のようなものだ。

 ここ数年ほど、同じ美容院に行っていない。一昨年は、駅近の店だった。そこそこ安いし、知り合いがそこで切ったから自分もそこでいやという気持ちで選んだ。去年は、買い物に行ったついでに同行していた身内がいつも行っている美容院に、じゃあ自分も切ってもらおうかなという感じで。で、今年は、その身内の通っていた美容院がなくなり、新しく通っている美容院の割引チケットをもらったから、という理由だ。

 その前は、家の近所の美容院に三年ばかり行っていたのだが、あまり客の入りが良くないせいか店の空気が微妙になったのと、メンバーカードが返ってこなかったのでなんとなく行きづらくなった。

 最近はカットのみのお安めなサービスも充実しているなか、今日行ったお店は、そこそこお高く感じる店だった。しかし、どうせ年に一度しか切らないイベントのようなもの、割引もあるから思い切って行ってみようと思ったのだ。

 初回なので、なんかアンケートとか書くのだが、これがいつも困る。覚悟はしていたものの、場違い感があるなと不安になってくるのと同時に、いや自分だって普通に客なんだから卑屈になるのはよくないぞ、みたいな気持ちが未だにぐるぐるする。だいたい、中年にもなってそんなこじらせ具合を露呈するわけにはいかないので、平然とマイペースを装っていくしかない。

 さすがに、サービスはよかった。いや、そこまでしてもらわなくても、とすら思った。洗髪もじっくり手で洗ってくれるし(じっくりすぎて肩が凝った)、肩も揉んでもらえるし(実をいうとちょっと痛かった)、眉毛カットもしてもらえるし、ブローも驚くほどサラサラに仕上げてもらった。出来上がりにも満足している。(もともと、カットさえまともにしてもらえれば不満はない)

 しかし、店員さんたちはみんなお洒落だし、鏡に映る自分の顔はやる気がなくて間抜けだし、美容師さんとの会話は弾まないし、話をふられても曖昧に返すしかなかったりするし、やはりある程度の気力は消耗するのだ。

 身内にも「なんでわざわざこんな暑いなか行くの?」などと言われたが、暑くなってきたからこそ行くのだ。いい加減、頭をさっぱりさせたかった。

 さて来年はどうするか。同じ店に行くか、それともまた他の店にしてみるか。それは来年の気分次第である。