後悔記

今のところ、宛てのないブログです。

成型肉を食べる

 去年発売された、マクドナルドのローストビーフバーガーが、実は成型肉だったというニュースが目に入り、わたしはおもわず笑ってしまった。

 わたしもそのバーガーを食べていたからだ。そして「やっぱりそうだろうと思った」と、自分の感覚は正しかったことを確認したみたいな、満足感すらわいてきた。そんな自分をちょっと性格悪いなと思う。

 まあ、表記はちゃんとしてほしい。成型肉を使っているということは、べつに恥じることではない、とわたしは思う。だって、けっこう美味かったし。あの値段で提供されるローストビーフにしては、柔らかくて食べやすかったし。

 そう。ファストフードのメニューに入っているような、安いローストビーフはあまり美味しくない。筋張っていて、乾いてパサパサして、味がしないことが多い。だったら柔らかくて美味い成型肉でいい。

 それほど舌が肥えていないので、腹がへったときに食べられる安い肉料理は、それだけで美味しく感じるものだ。当たり外れがあっても、ついコンビニで昼食を買うときに、チキンを買い足してしまうように。 

 あれだって、それほど美味いと思って食べているわけではないが、値段や手軽さで満足している。だからリピートする。高級肉では、こうはいかない。ある程度の、覚悟が必要になる。金はかかるし、その分の期待感も膨らみすぎる。そして実際に美味かったとしても、悲しいかな、次の機会はなかなかないという現実に直面するだろう。

 昔、仕事で疲れた体で、コンビニで選んだやたら味の濃い「ステーキ肉風弁当」も、成型肉だった。くたびれた体で、コンビニ内にある飲食スペースで丸まるようにして食べたあの弁当は、とても美味かった。

「おもしろいなー、コレ。外見はステーキ肉っぽいのに、食べるとハンバーグの味がする」と、思いながら噛みしめた。

 わたしは記憶力は弱いのに、そういうことはなぜか覚えている。

 もちろん、ちゃんとした美味い肉だって食いたいとは思う。そういうのがお安く提供されれば、嬉しいだろう。でもローストビーフはな、ある程度高くないと美味かった例しがないからな。